広告・PRの世界には、コンテクストと言う言葉がよく使われます。
一般的には、文脈と言うような意味で使われること多いですが、広告・PRの世界で言うコンテクストとは、色んな角度から見た強味とでも言うような感じでしょうか?
例えば、ここにミネラルウォーターがあるとしましょう。
その商品には色んな特性、個性がパッケージに書かれています。
・富士山の天然水使用
・バナジウムを豊富に含有
・手に持ち易いボトル形状
・硬度29mg(軟水)
他にも色々あるでしょうが、商品と言うのは、見る角度によっては色んな顔を持っているわけです。
砂漠を何日も彷徨(さまよ)った人にとっては、お金よりも大事な命を救ってくれるものでしょうし、ある人にとっては、ウイスキーや焼酎を割って飲むための「割り材」かもしれません。
家庭菜園をやっている奥様にとっては、植物を育てるための養分かもしれませんね。
そう考えると、商品の強味とか特徴と言うのは、受け取る相手の置かれている立場とか環境によっていくらでも変化する!と言うコトになります。
そしてここが肝心なんですが、コピーライティングの場合、これらの要素を全部入れ込もうとすると、結局、何が何だか分からなくなってしまう!と言う事なんですね。
ですから、沢山あるコンテクストの中から、お客さんの求めているモノをクローズアップしてあげ、気付かせてあげる必要がある。
実はコピーライティングの最大の役割はそこにあるんです。
ここで、僕が以前遊びでやってきた、あるコンテクストのお話しをしましょうか?
飲み会でお酒を飲んだ後、和スイーツのデザートが出てくる!と言うハナシになりました。
あんこが苦手な僕は、出てきたお菓子には手を伸ばしませんでしたが、横から見ていると、「ある事」に気付いたんです。それが・・コレ。
女性のTバックのお尻に見えませんか?(笑)
もし僕がコンビニの店長で、この商品を扱っていたとしたら、
『Tバック?可愛くないですか?もちろん味もバッチリ!』
とか、書いて売ったと思うんです。
この場合、あんこがど~のとか、甘さがど~のとか、甘さ控えめでど~のとか、いくら書き募るよりも、「Tバック?」のワンフレーズで決まり!なんです。
このように、「お~~!」と思わせるワンフレーズが見つかれば、勝利はあなたのものです。
そしてそのコンテクストと言うか、ワンフレーズは、かならず商品の中にあります。
これはもう、絶対に隠れている。
それを見つけるのが、ヘッドコピーを書く上で一番重要なポイントになるんです。
この、コンテクスト、あなたなりに色んな角度から見て行くうちに必ず見つかるモノなんですよ。
ですが、気をつけて欲しいのは、メーカーが用意した資料にはそれが書かれていないと言う事。
メーカーは、「自分達が言いたいこと」しか言いません。
そしてその言いなりになっていたのでは、あなたの店は「メーカーの出店」になってしまいます。
ですから、メーカーすらも見つけきれていない新しいコンテクストを発見して欲しいですよ。
Author:中山マコト
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